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ノーベルパート③ 最後 [ためになる]

みなさん、こんにちは[晴れ]
実験大好きてんちゃんです。

11月に入り段々と気温が下がってきました。
体調を崩さないように注意が必要ですね。


もう発表から1ヵ月経ってしまいましたが、ノーベル賞シリーズ最後の回をお送りしたいと思います。

過去2回のノーベル賞についての記事はこちら
パート①
https://sonyexplorascience.blog.so-net.ne.jp/2018-10-04
パート②
https://sonyexplorascience.blog.so-net.ne.jp/2018-10-19


今回は最後の化学賞です。

受賞が決まったのは、
① 「酵素の指向性進化法」の研究でフランシス・アーノルド博士
② 「抗体のファージディスプレイ法」の研究でジョージ・スミス博士とグレゴリー・ウィンター博士
でした。


聞きなれない言葉ばかりで、頭が痛くなりそうですね。
こちらも順を追って説明していきたいと思います。


① 「酵素の指向性進化法」

「酵素(こうそ)」という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
「酵素」とは、生体(生物の体の中)で起こる化学反応の手助けをしてくれるものです。

酵素は私たちの消化や代謝、植物の光合成など、生物が生きる上で欠かせないものなんです。

PHTre0001.jpgPHTre0003.jpgPHTre0002.jpg


また、この酵素の性質は食品の発酵や洗剤などの日用品などにも応用されています。


しかし、「もっと私たちに都合の良い酵素が作りたい!」
例えば、「環境にやさしい洗剤を作りたい。」

そこで登場するのが、「指向性進化法」です。


「指向性進化法」とは、進化のプロセスをまねることで目的に合った新たな酵素を作り出す手法のことです。

PHTre0004.jpg

簡単な流れは、以下の通りです。

「ある酵素を進化させ、狙い通りの機能を持った酵素を作りたい!」

(1)ランダムに変異させた酵素をいっぱい作る。

(2)それぞれの酵素が目的の機能を持つか調べる。

(3)うまく機能した酵素は残し、機能しなかった酵素は捨てる。

これらを繰り返す。


アーノルド博士は、1993年に「指向性進化法」を使い、初めて人工酵素を作り出すことに成功しました。

これをきっかけに、人工的に目的に応じた新たな酵素を作る研究が盛んになり、現在では、バイオ燃料や医薬品、調味料などの生産に活用されています。


「身近なところで酵素が活躍しているんですね[るんるん]



② 「抗体のファージディスプレイ法」

まず、「抗体(こうたい)」は、私たちの体の中に入ってきたウイルスなどの敵から身を守ってくれる強い味方です。

PHTre0000.jpg

「ファージディスプレイ」とは、大量の遺伝子の中から目的の機能を備えたタンパク質を作るものを効率よく選び出す手法のことです。

スミス博士は1985年、この「ファージディスプレイ」の手法を開発しました。

また、ウィンター博士は、「指向性進化法」の手法で「ファージディスプレイ」を応用し、目的の機能を備えた治療用の抗体(抗体もタンパク質の一種)を作り出しました。


現在では、リウマチやがんの薬などの抗体医療品に活用され、さらなる研究が進められています。



「どんどん病気を治せる薬が作られるといいですね。」

①、②両方とも最適なものを選び出すという面では似ていますね。
部屋の片づけをするときに、いらないものは捨て、いるのものは残しておくみたいな…
(私が思った個人的なイメージです)



はい、全3回に渡ってノーベル賞の内容を取り上げてきました。なかなか難しい説明になってしまった部分もあったかもしれませんが、先生方々の絶え間ない努力が私たちの明るい未来を照らしてくれていることを少しでも感じてもらえたらうれしいです。

PHTre0006.jpg



自分もノーベル賞級のおもしろい実験が考えられないかなーーー

てんちゃんでした。


2018-11-01 17:09  nice!(0)  コメント(0) 
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